初飛行 : 1969年3月2日
運用開始 : 1976年1月21日
イギリスのBACとフランスのシュド・アビアシオンなどが共同で開発した超音速旅客機で
超音速飛行を追求した美しいデザインや、唯一の超音速旅客機だったこともあり
そのため全機退役した現在でも根強い人気を持っている
高度5万5,000 - 6万フィートという、通常の旅客機の飛行高度の2倍もの高度をマッハ2.0で飛行する
定期国際運航路線をもっていた唯一の超音速民間旅客機であった
開発当時は、世界中から発注があったものの
ソニックブームなどの環境問題、開発の遅滞やそれに伴う価格の高騰
また大量輸送と低コスト化の流れを受けて、受注の多くがキャンセルされた
特にニューヨーク便就航に際しては激しい反対運動が展開され法廷闘争にまでいたった
最終的にはエールフランスとブリティッシュ・エアウェイズの2社のみによる就航に留まる
2000年7月25日に発生した墜落事故、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロによって
低迷していた航空需要下での収益性改善が望めなくなった事で
2003年5月にエールフランス、同年10月24日にブリティッシュ・エアウェイズが営業飛行を終了
2003年11月26日のヒースロー空港着陸をもって全機が退役した
元々はイギリスはブリストル223、フランスはシュド・シュペル・カラベルなどの超音速旅客機の開発をしていた
しかし、1962年に英仏両国はそれまで独自に行っていた開発を共同で行う方針に転換し
イギリスからはBAC、フランスからはシュド・アビアシオンが開発に参加した
開発の主導権や名称などについて2国間での対立はあったものの
1969年3月2日に原型機が初飛行に成功、同年10月1日には音速の壁を突破した
なおアメリカでも超音速旅客機の開発が行われていたが計画は中断された
機体の特徴としては、オージー翼を採用した独特の形状を持ち
フライ・バイ・ワイヤを実用化した世界初の航空機である
フラップがないことをカバーするため、機首を大きく上に向けながら進入する必要があり
高迎え角となる離着陸時には、長細い機種が邪魔になるため
下方視界確保のために機首が下方に折れ曲がるドループ・ノーズを採用し
バイザーが機首内に収納され、パイロットの視界を確保する
マッハ2の超音速で巡航するコンコルドの勇姿は未来を感じさせた
アフターバーナーは離陸時と超音速への加速時に使用するだけで、超音速巡航時には使用しなかった
音速飛行時は機首先端の温度が120 ℃程になる上、マッハ2を超えた場合は胴体の温度が91 ℃になる
さらに熱による機体の膨張により20cmほど全長が伸びる
搭乗価格がファーストクラスより高い旅客機でありながら
客席はエコノミークラス程度のピッチのものが横4列に並び、合計100席が設けられているだけで
窓も機体と窓の熱膨張率が異なるため、前述の高温から大きく出来ずはがき程度の大きさである
マッハ2を超えた場合、機内側の窓も継続的に触るのが困難なほど加熱された
性能諸元
乗員 : 3名
全長 : 61.66m
全幅 : 25.55m
全高 : 12.19m
翼面積 : 358.2m²
空虚重量 : 78,700kg
通常離陸重量 : 111,130kg
最大離陸重量 : 186,070kg
燃料容量:-kg(119,500L)
最大兵装搭載量 : -kg
発動機 : Rolls-Royce/SNECMA Olympus 593 Mk 610 afterburning turbojets ×4基
Dry 140kN (32,000lbf) / A/B 169kN (38,050lbf) each
推力重量比 : 0.373
最大速度 : マッハ 2.04
航続距離 : 7,229km
離陸滑走距離 : -m
着陸滑走距離 : -m
実用上昇限度 : -ft
最大G : - |
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