初飛行 : 1955年10月25日
運用開始 : 1960年
サーブ社が開発した多目的戦闘機で
世界で初めてダブルデルタ形式の翼平面形を実用化した航空機
当初は昼間要撃機として開発されたが、改良により全天候要撃機へとなった
当時、高空を高亜音速で飛来するジェット爆撃機の脅威が1940年代末以降各国で深刻化し
さらに永久中立国ということから
大国の第一線級戦闘機にも負けない機体が必要であった
有事の際に領空侵犯機に俊敏に対応するために
緊急滑走路として公道からでも2,000m以内で離着陸可能なSTOL性や
10分以内での再給油/再武装といった、国情に即した計画のもとに開発された
村落の牛舎や営農倉庫のような場所にも隠蔽可能なほど小型軽量振りであった物の
機内燃料搭載スペースは限られ、航続距離は短く迎撃に特化したような性能になてしまった
また飛行安定性に難がありスーパーストール(縦スピン)癖が強く
フライ・バイ・ワイヤの補助がなかった時代も相俟って、パイロットには高い技量が求められた
しかし、使い勝手のよさから50年もの間、空軍で使用されていた
性能諸元(J 35J)
乗員 : 1名
全長 : 15.34m
全幅 : 9.42m
全高 : 3.89m
翼面積 : 49.22m²
空虚重量 : 7,422kg
通常離陸重量 : -kg
最大離陸重量 : 12,430kg
燃料容量:-kg(-L)
発動機 : Volvo Flygmotor RM 6C afterburning turbojet ×1基
Dry 56.5kN (12,787lbf) / A/B 78.4kN (17,637lbf) each
推力重量比 : -
最大速度 : マッハ 2.0
航続距離 : -km
フェリー飛行時 : 1,763km
離陸滑走距離 : 650m
着陸滑走距離 : 880m
実用上昇限度 : 65,600ft
最大G : -
武装
固定武装 : M-55 ADEN 30mm ガトリング砲x1 100発
空対空ミサイル : Rb-24(AIM-9B), Rb-27(AIM-26B), Rb-28(AIM-4C)
自由落下爆弾 : 55, 220, 500, 1,000 pound bombs
ロケット弾 : 2x 75 mm rocket, 12x 135mm rockets
最大兵装搭載量 : 2,900kg
ハードポイント数 : - |
サーブ 210 | 試作機。当初この試験機がドラケンと呼ばれていたが J-35Aがドラケンと名付けられたため、リルドラケン(小さなドラケンの意)に改名された |
J 35A | 初期の生産型、事実上の増加試作機。(90機製造) |
J 35B | 実質的な最初の実用型、射撃管制装置の改修、AIM-9 (Rb24) 、無誘導のロケット弾 爆弾の運用能力が与えられた。(73機(一部資料では83機)製造) |
Sk 35C | A型を複座に改造して製作した複座の機種転換訓練型 | 固定武装と射撃管制装置は搭載されていないが、対地攻撃能力を持つ。(26機製造)
J 35D | エンジンをRM6Bから改良型のRM6Cに変更し、機体内に搭載可能な燃料を増量 |
S 35E | D型から射撃管制装置と固定武装を排除し、そのスペースに偵察用のカメラを搭載した偵察型 |
J 35F | レーダー誘導ミサイル直撃作戦に備えて新型レーダーや誘導弾補助機器など改造 |
J 35F-2 | 赤外線偵察装置71Nや改造型レーダーPS-011を追加したJ 35Fの最新型 |
J 35J | 1987-91年の間、F2を改造したJ35の最新型。 アピオニクスの改変と燃料増量や誘導弾増設。1998年廃置 |
サーブ 35H | スイス空軍向けに提案された形式で、A型にFCSを搭載した改造機。採用されず |
サーブ 35XD | デンマーク向け輸出型。戦闘機型 F-35 20機、複座練習機型 TF-35 11機、偵察型 RF-35 |
サーブ 35XS | フィンランド向け輸出型 |
サーブ 35o | オーストリア向け輸出型。J35Dを改造した戦闘機型 |
形式不明 | 西ドイツ空軍向け輸出型: 核兵器の運用能力を与えられた戦術攻撃機。未採用 |
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