初飛行 : 1983年6月26日
運用開始 : 1984年
ソ連のイリューシン設計局で開発された空中給油機
1987年から納入が始まり現在まで53機が製造されており。さまざまな国が運用している
ミヤシシュチェフ M-4バイスン爆撃機を改造した空中給油機を細々と運用していたが
1970年代終わりになって、このバイスンが老朽化してきたため新たに開発が開始されたのがIl-78である
Il-78は、当時のソ連で標準的大型ジェット輸送機であったIl-76の発展型として設計され
胴体後部左側および両主翼の3箇所に空中給油のためのポットが設置されており
そのからホースが伸びることで同時に3機の航空機に給油することが可能
給油方式はそれまでソ連で使用していた独自の方式ではなく
プローブ・アンド・ドローグ方式をソ連では初めて導入している
今まで必要に応じて爆撃機へ空中給油装置を装着した事はあったが、専用の空中給油機を配備することは無かった
気象レーダー、航法レーダーのほかクーポル航法システム、RSBNヴストレチャー短距離航法システムなどの装備により
全天候下で300km離れている受油機の捜索・誘導が可能という特殊能力を持っており
尾部胴体下面にはレーダー測距機も装備されている
空中給油作業は目視で行われるが、尾部のIL-76では銃座であった部分には空中給油オペレーターが座る
性能諸元 (Il-78M)
乗員 : 6名
全長 : 46.59m
全幅 : 50.50m
全高 : 14.76m
翼面積 : 300m²
空虚重量 : 72,000kg
通常離陸重量 : -kg
最大離陸重量 : 210,000kg
燃料容量:138,000kg (-L)
発動機 : Soloviev D-30KP turbofans×4基 Dry 118kN (26,500lbf)
推力重量比 : 0.23
最大速度 : 850km/h
航続距離 : 7,300km
フェリー飛行時 : -km
離陸滑走距離 : -m
着陸滑走距離 : -m
実用上昇限度 : 39,370ft
最大G : - |
Il-78 | 基本型。2つの取り外し可能な燃料タンクを備える。最大積載重量は85.72トン (188,540lb) |
Il-78T | 燃料タンクをはずした貨物輸送型 |
Il-78M | 1987年から配備された型。貨物室内タンクを3個に増加させ固定式としたため貨物機への転換は不可能となった 給油装置をUPAZ-1AからUPAZ-1Mに変更。総燃料搭載量は138トン (303,600lb) |
Il-78ME | Il-78Mの輸出型 |
Il-78MKI | Il-78MEをインド空軍向けに改良した型。アビオニクスの一部をフランスのタレス製の物に変更 給油装置はイスラエル製のAPR-3を装備。燃料タンク取り外しが可能で搭載数も2本。総燃料搭載量は110トン |
Il-78MP | パキスタン空軍向け。仕様はIl-78MKIと同じだが、ロシア製以外の機材は搭載していない |
Il-78M2 | Il-78Mのアップグレード型。新しい航行装置や通信装置、防御装備を備えている 同時に4機に対して空中給油が可能で夜間の給油も可能となった 異なる3タイプの航空機の給油に対応している |
Il-78M-90A | Il-76MD-90A(Il-476)をベースとした型。試作機は2015年に初飛行する予定 |
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