初飛行 : 1946年1月19日
運用開始 : -年
アメリカの有人実験機で、世界で初めて水平飛行で音速を突破したロケット機
1930年代から1940年代にかけてレシプロエンジンは急激に進化し
航空機の速度が速度が700km/hを超えるあたりになると、プロペラの限界に達したため
ジェットエンジンが開発され、超音速実験機としてXS-1(後のX-1)を開発し
1947年10月14日に、チャック・イェーガー大尉が通算 50 回目の飛行でマッハ 1.06 を記録
人類初の有人超音速飛行をおこなった
エンジンは揉めに揉めた末ロケットエンジンに決定し
当時リアクション・モーターズ社が開発中だったXLR11を4機使用する事となった
このロケットエンジンの推進剤は、従来使用されていた硝酸とアニリンに比べ
安全性に優れる液体酸素とアルコールの組み合わせとなっていたおり
このエンジンは膨大な燃料を消費するため、自力での離陸を諦め、航空機からの発進へと方針が転換された
XS-1の機体強度は18Gまで耐えられるという異様なまでの強度を持ち合わせており
これは、音速に入ると機体がどのような挙動を起こすかまったく見当もつかなかったためである
しかしパイロットは18Gに耐えられないため、無駄といえば無駄な強度といえる
なおXS-1には射出座席などの脱出装置は装備されていなかった |
性能諸元 | XS-1 | X-1A | X-1B | X-1C | X-1D | X-1E |
乗員 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
全長 | 9.42m | 10.87m | 10.87m | - | - | 9.45m |
全幅 | 8.53m | 8.53m | 8.53m | - | - | 6.96m |
全高 | 3.30m | 3.25m | 3.25m | - | - | 3.3m |
翼面積 | 12m² | - | - | - | - | 10.68m² |
自重 | 3,171kg | 3,117kg | 3,117kg | - | - | 3,107kg |
全備重量 | 5,550kg | 7,469kg | 7,469kg | - | - | 6,690kg |
エンジン | XLR11-RM-3x4 | XLR11-RM-5x4 | XLR11-RM-9x4 | - | - | RMI LR-8-RM-5x4 |
推力 | 2,722kgf | 2,722kgf | 2,722kgf | - | - | 2,722kgf |
推力重量比 | 0.49 | - | - | - | - | - |
最高速度記録 | Mach 1.45 | Mach 2.44 | Mach 1.94 | - | - | - |
実用上昇限度 | 71,900ft | - | - | - | - | 90,000+ ft |
XS-1 | 発進母機はB-29。主翼が後退翼ではなく直線翼であった |
X-1A | X-1シリーズ最速の機体。1953年12月12日にマッハ2.44を記録 1955年8月の飛行で切り離し直後に液体酸素が爆発したため機体を投棄 |
X-1B | 空軍の超音速テストパイロットの訓練用として使用される予定であったが 1954年12月にNACAへ移管され、空力加熱などの実験に使用された 1958年1月に液体酸素タンクに亀裂が見つかり退役 現在は国立アメリカ空軍博物館に展示されている |
X-1C | 超音速飛行時における武器発射テストを目的に開発が行われた しかし発注後間もなく、XP-86戦闘機が緩降下で音速を突破 試験目的が失われたためにキャンセルされた |
X-1D | 発進母機はB-50。燃料系統などを改良。事故続きの末に破棄された |
X-1E | XS-1の2号機の改修型。1951年末から改修が開始され1955年11月末に完成 主翼を翼厚比4%の超薄翼に形状変更、前方視界の改善 射出座席の装備などがなされた エンジンはXLR11の改良型であるLR8-RM-5にされた X-1AとX-1Dの爆発事故の経験から安全性は徹底的に見直された 燃料タンクに亀裂が発見されたため退役 現在はエドワーズ空軍基地にあるNASAのドライデン飛行研究センターに展示されている |
|