設計開始 : -年
運用開始 : 1995年

ソビエト連邦、およびロシア連邦が開発した第三世代主力戦車で
T-72をベースに大幅に改良して、より高価なT-80Uのレベルに近づけた戦車

T-90は湾岸戦争でガタ落ちになった、T-72を初めとするロシア製兵器の評判を挽回し
輸出市場拡大による外貨獲得を目的に開発されたモデルであるとされるが
上位モデルであったT-80Uがコストの高さと装備の複数化の弊害を理由にロシアでの生産打ち切りが決定し
新型主力戦車として予定されたT-95の開発も中止された事により、主力戦車として採用された

主砲は2A46M-1 51口径125mm滑腔砲で、T-72の主砲を改良したものにあたる
装弾筒付翼安定徹甲弾、対戦車榴弾、榴弾など、現代戦車では一般的な弾薬のほか
T-80で採用された9M119Mレフレクス対戦車ミサイルを発射できる

主砲からミサイルを発射できるのは旧東側戦車の特徴で
レフレクスの場合、セミアクティブレーザー方式を採用している
ミサイルの飛翔速度はマッハ2に達し、射程は約5,000m。750mm～800mm程度の装甲を貫通するとされている
これら弾薬とミサイルは自動装填装置により装填されるため、T-90に装填手は搭乗していない
また、敵戦闘車両や航空機などの赤外線監視装置や、赤外線誘導方式の対戦車ミサイルに対し
強力な赤外線を照射して妨害する能力や、敵のレーザー照射を妨害する能力を持ったミサイル警報装置を搭載しており
これらはTShU-1-7シュトーラ-1防御システムと呼ばれている

T-90は一両あたり約140万ドルと安価で、性能も優れていることから、他国に対しても積極的な売りこみが行われている
ロシアとインドは、2000年10月に「戦略的パートナーシップ宣言」に調印し、インドでのライセンス生産について合意している
その他にモロッコ、リビア、イラン、シリア、インドネシアとの売買契約が結ばれたとされる
一方で、北朝鮮の金正日が2001年8月にロシアのオムスクにある戦車工場を訪れた際には、ロシアはT-90の売却を拒否している

性能諸元
　乗員 : 3名
　全長 : 9.53m
　全幅 : 3.78m
　全高 : 2.23m
　重量 : 46,500kg
　主砲 : 125mm滑腔砲 2A46M
　副武装 : 12.7mm機関銃 / 7.62mm機関銃
　エンジン : (主エンジン) V-84-MS V型12気筒液冷ディーゼル 840-1,000ps / -rpm
　　　　　　(補助エンジン) AB-1-P28 1kW / -rpm
　懸架方式 : トーションバー方式
　燃料容量 : -liters (-gallons)
　速度 : 65km/h(整地) / 45km/h(不整地)
　行動距離 : 375km / 550km（外部タンク搭載時）